ビジネス(商売)の志
最近とんとご無沙汰しているが、前の前の家に住んでいた時代から知り合いの広東人の一家がいる。彼らの商才は、今までも歴代の中国語の先生(その人は山東人、河北人、湖南人)から聞いてはいたのだが、大したものだ。
よく言われるように中国人一般に、商売の才能はあると思う。それも、商売人だけでない。日本の学者は金計算は全然ダメというのが、珍しくないというか、あまりに音痴なので、逆に?中国人研究者から尊敬されるぐらいだ(あまりに金銭に頓着しないと、無私の人と勘違いされる。無私ではなく、単に経済音痴なだけなのだが…)。
その点、中国の研究者で、経済概念ゼロみたいな人には、私の交友関係が狭いせいもあるだろうが、お目にかかったことはない。この中国人の商才みたいなものは単なる「ケチ」ではない。
そもそも儲けるというのが、相手も喜ばせて儲けるということにとてもたけている。こと商売に関して決して無駄な努力をしないし、評価しない。
しかし、そうして儲けたお金を「志」のために使うのには、今度お金を惜しまない。また、志がなければ、「守銭奴」という感じなところがある。人生意気に感じればなんとやらである。
だから、お金儲けをしっかりして、それを学問に投資する人も、とても多い。中国人の教育熱心は、ちょっと日本人の私がみるとやりすぎな気もするが、この熱心さは中国三千年の歴史の賜物なんだろう。
一方、日本人はビジネスと学問をないまぜにしてアプローチしてくる人がいる。日本ではいざ知らず。中国ではたぶん信頼されないと思う。ビジネスはビジネス、学問は学問でそれぞれ厳しい。
The comments to this entry are closed.
Comments