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December 23, 2010

芳蘭生門

「芳蘭」という言葉は、その墨書土器を題材に文章を書いたことがあるので、思い入れがある。当時は神仙思想や仏典の方に目が向いていいたが、改めて二十五史を「芳蘭」で検索すると、「芳蘭生門、不得不鋤」(三国志蜀書)や「芳蘭當門,不得不鋤,其修栢之賦乎。」(南史)といったちょっと恐ろしい言葉がある。

どう恐ろしいのか。この言葉、直訳すれば、「芳しい蘭でも門に生えてしまえば、掘り返さざるを得ない。」ということで、その意味は芳蘭(賢能之士)であっても(賢能之士であるがゆえに性格が剛直なので)、主君の方針と違ったりすれば、取り除かざるを得ないという意味らしい。

孫引きだが、『典略』にも曹操が楊修を殺害するときに「芳蘭當門不得不除。」と言っている。先ほどの蜀書は蜀の後主(暗愚と言われた劉禅)の言葉であり、曹操が言ったとされるといい、二人とも決して儒教的にみて名君ではないから、少し割り引かねばならないのかもしれないが、魏晋南北朝時代という殺伐とした時代の雰囲気をよく伝えているような気もする。

ただ、この時の蘭は今知られている洋ランなどの蘭花ではなく、蘭草(フジバカマ)の方である。

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