« April 2009 | Main | July 2009 »

June 2009

June 25, 2009

緑の帽子…

現代中国を知るためには、どうしても(当り前のようだが)元代以降の歴史は大事である。ちょうど日本で言えば鎌倉時代以降の歴史が重要なように。

先日、家内と知り合いの中国人の先生の講義を聴きに行った。中国の習慣とタブーを知るというテーマで、中国語講座の発展版(普通は大学生のための講義だが、たまたま社会人向けにも開放されていたらしい)のようだった。

年配の人には置時計や掛時計を送ってはいけない。到着したばかりの客人には水餃子を避ける。贈り物に梨や傘を避けるなどなど。非常に興味深かったので、またいつか紹介したいところであるが、長年の謎が今回一つわかったので、それをここに紹介したいと思う。

「戴緑帽子」という言葉がある。中国の男性はそう呼ばれるのを避けたいそうだ。

このこと自体は私も実は知っていた。もう10年以上前だが、派遣事業で中国へ初めて行かせてもらった時に、その準備に中国語の学習をしていた。その時にいっしょに中国語を習っている年配の方が面白い質問をされ、中国の先生(上海出身)はたまげていた。

日中友好の関係で、団体で中国を訪問することになり、日本の知事だか市長に挨拶にいったところ、非常に良いことだから、ぜひ頑張ってきてほしい(何をがんばるのか…?)とのことで、緑色のベレー帽を年配の男性に知事さんが配ったそうだ。(女性は赤色)

おそらく中国の人民帽のイメージだろう。赤は勿論縁起のいい色なので問題はなかった。

さて、一行が中国に到着するとどこでも大歓迎。ただ、いつもなぜか訪中団の日本人男性の帽子を見ては、変ににやにやする中国の人が多い。これはなにか理由があるはずだと、現地で通訳さんに聞いてもはっきりしたことを答えてくれない。ただ、「まあ、外国の人だから仕方がないし、知事さんからプレゼントされたんではねえ」と同情されたという。

そこで、帰国してきた訪中団の一員の年配の男性が、中国語の先生に訳を聞くと、緑色の帽子をかぶった男性は「妻を寝とられた男、あるいは奥さんが不貞を働いている」というような意味がありますと説明してくれた。先生は明代の進士についてを専門に勉強され、さらに大学では夏目漱石や森鴎外などを研究された人なので、このことについての歴史的背景を話したそうであったが、あまりに衝撃的?な内容であったので、中国語講座は騒然となって、詳しい話は聞けずじまいであった。

それが、今回の社会人講座で中国の先生(ハルピン出身)の話でよくわかった。唐代から妓女の家族は封建社会で差別されており、平民が着る服は着ては行けなくて、緑色の服を着せられていた。その後元代になって服だけでなく、緑色の頭巾をかぶせられ、大通りの中央を歩いてはいけないなどの差別が加わった。その後明代も継承され、清代になって緑色の頭巾が帽子に変わったそうだ。そこで、今も(今は実際にそういうことはないが)緑色の帽子を被る(戴緑帽子)ことは、妻が賤業婦である→不貞を働いているという意味であり、一種の蔑称や悪口になっているようだ。そのように呼ばれることは中国の男性にとってもっとも恐ろしいことだそうだ。

もちろん、これがどこまで歴史的に正しいかは私にはよくわからないが、少なくともそう信じられていることは興味深い。現代中国語の言い回しがこうした時代の風習に深く根ざしていることは、ある意味当り前のことである。

日本の人の中には中国の歴史が詳しいと思って、元・明・清あたりの歴史は当然知っていると思ってはしょる人がいるが、古代(春秋戦国や秦漢三国)あたりは詳しくても、元以降の歴史や風俗はまったく知らない人は多い。現代中国人にとって常識的なそのあたりの話を、中国の先生に詳しく教えてもらいたいものである。

|

June 23, 2009

日本とドイツのユダヤ人

多くの日本人がそうかもしれないが、中近東というのは石油以外では、私には本当になじみがない地域である。キリスト教主義の大学にいったからでもないが、聖書の世界であることは知っているが、生身のユダヤ人といわれてもピンとこないところが本当だ。

しかし、数少ない体験ではあるが、彼らにそんな悪いイメージはない。どころかなんというか、ヨーロッパとアジアのかけ橋のような人々のような気がする。しかし、そうは思わない人もいる。

以前勤めていた博物館の館長がユダヤ陰謀主義を信じている人で、それをとうとうと平社員である私に論じるので、腹が立つというよりただ悲しくなった。日本の管理職で外国に詳しいと称している人で本当にこんなことを信じているなんて…。

中東の戦争では数多くの蛮行はあるのだと思う。それはかつての日本が戦った戦争と同様に。しかし、ユダヤ人だけが特別陰謀好きで好戦的な民族にはどうしても思えない。

学生時代、テキヤの親分の縁日の仕事を手伝った時に、隣に金髪碧眼の外人が、皮製品の財布や小物を販売していた。その筋にちゃんと届けているのだろう、親分は決して協力的でもないが、邪魔もしなかった。それなりに売れていたので、最後に店を閉める時に私も財布を安く売ってもらった。

親分は金髪碧眼なので彼らを「アメリカさん」と呼んでいて、私も彼らが英語をしゃべるのでアメリカ人だと思っていたら、なんとイスラエルからきたユダヤ人だというので驚いた。なんでまた日本へと聞くと、東洋に興味があり、香港に流れてきたら、この業界?を仕切っている人から日本はユダヤ人差別がないので、行ってみたらと紹介されたという。この皮製品の販売は日本での元締め?から紹介されたもので、イスラエルでは皮製品を売っていたわけではないそうだ。

アメリカ人と間違えられていることにはなにか納得いかない風であったが、かといって別にそれほど怒るわけでもなかった。彼らも「僕たちも中国人と日本人の差はよくわからない」と言っていた。

あともう一つの体験は、ドイツへ行った時にオランダのスキポール経由でデュッセルドルフへはいった。オランダから初老のドイツ人?と席がとなりで、熱心に本を読んでいて、なにかお祈りをしているようだった。とくに気にもかけなかったが、背が大きい人が多い中で私たち日本人位の背で、どこか東洋的な雰囲気の人だと思った。

バスの中でも偶然近くとなったが、私たちは座れたがその人は立ったままだったので、若者が座っているのも気が引けて、席を譲ったところとても驚かれて、「ダンケ」といいつつも、私に座ることを進めてくれた。英語が話せるかと聞いてきたが、ほとんど話せないというと悲しそうな顔をしつつも、私たちの旅行の安全を祈る(というようにいったのだと思う)ふうだった。

この人の読んでいる本はヘブライ語で書かれていた。タルムードかなにかだったのか。そしてユダヤ人がよくかぶっている帽子をつけていたので、たぶんまわりのドイツ人やオランダ人からみればすぐユダヤ人だとわかるのだろう。海外知識に乏しい私はすぐにはわからなかったのだが、とても質素そうで、謙虚な感じの人だった。

だから、なんだといわれると困ってしまうが、この人もハートウォームな人であった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 14, 2009

河童のクゥと夏休み NHK衛星第2で放映に

忘れた頃にいよいよテレビで放送されます。

河童のクゥと夏休み NHK衛星第2で6月18日(木)夜9時~11時20分放映するとのこと。今日の読売新聞の映画欄では5点満点中の4点と担当記者の評価もとても高かったです。私は朝が早いので、録画で対応します。皆さんも見てね・・・?

さて、映画と言えば、私の好きなアンソンギさんとチェミンシクさんの特集がNHK教育で本日(6月14日・日)午後10時から11時半これまた遅いので録画対応になりそう。

アンソンギの映画と言えば、今はシルミドなどが有名なのでしょうが、私はやっぱり「あの島へ帰りたい」、チェミンシクは普通「シュリ」なんだろうけど、私は「我らのゆがんだ英雄」のキム先生役が印象的ですね。これまた見逃せません。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 07, 2009

白鷹伝

信長、秀吉、家康に仕えた伝説の鷹匠小林家鷹を主人公にした戦国時代小説。

韃靼人の鷹使いメルゲンや名鷹「からくつわ」などが「鷹」が重要な役割を果たしている。どこまでが史実を反映しているのかはよくわからないが、鷹を東北アジア文化の特徴ととらえているのは興味深い。

作者の山本兼一先生は、モンゴルまで鷹狩りの取材にいったそうだ。「白鷹伝」の中に鷹狩りにかんする挿絵がとても参考になる。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 06, 2009

ハゲタカ封切

本日8時20分(長野グランドシネマ)の映画「ハゲタカ」の封切見てきました。

最近経済問題に関心があるというヨメのたっての願いでリーマンショックさながらの我が家の家計を顧みず、通常料金で映画を見に行きました。

結論。はっきりいって一見の価値あり。レッドクリフもびっくりの内容です。玉山鉄二演じる劉一華がいいんですね。単なる勧善懲悪じゃないですよ。映画の宣伝では、中国のファンドが日本の大手自動車を買いたたく(たしかにそうなんだけれど)というふうにあおっているけど…。

劉の生い立ちや彼の義侠心(映画では描かれないが、彼をそこまで育て上げた田舎の両親や同郷の人びとの思いがうかがえる。劉は一見冷酷な人間のようで、本当は熱いハートをもっている中国人。)をうまく描いていたように思う。劉の出身地である湖南省の人を少し知っているが、拝金主義の現代社会のなかで、理想主義を持ち続ける人たちがいる。ちょっと上海や香港とは違う感じがする。OL日本のチャンさんも湖南人でした(ヤンヤンは上海人)。

たしかに日本も中国も組織第一の民族性だと欧米人から見られがちだが、鷲津や劉のような本当は義侠心のある個人もいると私は信じたい。

肝心のヨメはほとんど映画のストーリーが分からなかったそうだ。鷲津政彦(大森南朋)の「おひきうけしましょう」というセリフが、任侠映画風でかっこよかったそうだ。(ヨメによると大森の「おひきうけしましょう」は「おしきうけしましよう」と最初の「ひ」(hi)が、「し」(shi)に近い発音になっているとのこと。(だからなんなの?)

レッドクリフでがっかりした人はぜひ見に行ってください。財務省や外務省などの役人がほとんど出てこないのもいい。

柴田恭兵、栗山千明、松田龍平、中尾彬、嶋田久作ほか脇役がNHKドラマとまったくおんなじ調子で、みんな少し年齢を重ねている様子までうまく演出されているので、ドラマファンにはたまらないだろう。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

June 05, 2009

女いっぴき猫ふたり

家族にすすめられて伊藤理佐先生のマンガを読んだ。最初は「やっちまったよ一戸建て」。

伊藤理佐という名前は知らなかったが、読んでみると見覚えのある絵だ。伊藤先生は長野県諏訪の出身で現在東京都在住。週刊文春の巻末のひとコマ漫画などを描いている売れっ子のマンガ家だ。

「やっちまたよ一戸建て」はあまりに面白すぎてはまっている。これについてはまた詳しく紹介することもあると思うが、リアルタイムではまっているのが、「女いっぴき猫ふたり」の方である。「やっちまったよ~」の方にも出てくるニャコとクロという猫たちと伊藤先生の何気ない日常が描かれているが、これがなかなかなのである。伊藤先生ちょっとおかしな日本語を使うのだが、言いえて妙である。

猫を飼った人ならわかる猫との不思議な世界が描かれている。たしかに、猫によるんだろうけど、人間の会話の本質を理解しているようなところが猫にはある(偶然とは思うのだけれど)。ただ、言葉はわからなくても、逆にわからないから気配や勘で察するのかもしれない…。

この人は、かなり鋭いことを言っているのだが、自分を卑下して、市井の私たち小市民を応援している漫画だと…私は見た。長野県人(いや信州人か…)の批評家精神が良い方向に発揮されている。この人が東京で成功しているぐらいだからだろう、卑下(あるいは謙遜)していても卑屈(ひがみ)ではない。そういうところが、私は好きだ。なんでもエロ系のマンガで有名らしいが、いしいひさいち先生なみに注目している。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« April 2009 | Main | July 2009 »