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March 2007

March 19, 2007

パクリはまずいよ…

前項の「考古学神髄」現場の調査速報に書いたもので、どこかで聞いたような話で、別に私の卓見と言うほどではない。でもパクられると腹が立つ。というかモラルを疑う。

そもそもどうしてパクラレたかわかったかというと、知人(Aさん)が私の家に引越しの手伝いに来て、荷物の中にあった調査速報を見て、

A「この速報の文章、××先生の話をぱくったのか?自分の職場の先輩にあたる人の話を引用したのなら、一般向けの文章といってもちょっと××先生からお聞きしましたぐらい速報に書いてもよかったんじゃない?」

私「エッ!××先生の話って?それいつのこと?」

A「先々週の日曜日のU市の公民館の考古学講演会に出席したら、この速報と同じことを言っていたよ。だからさてっきり君がぱくったのかと思って…」

私「君が感動したって言っていた考古学の講演会って、こんな内容だったのか。でも、よく速報の日付を見てみろよ、この速報はずっと前に書かれて、職場や現場ですでに配られていたものなんだぜ」

A「エッ!では××先生がぱくったの?」

私「ぱくったつもりじゃないんだろうけど。でも、そういえば昨日、君が先生の話を聞いて感銘を受けたと直接××先生に言ったら、先生の顔色がみるみる変わった。なーんだそのことだったのか…」

たしかに、オリジナリテ云々というほどの文章ではない。でも、そこで、「やあー君の速報のネタをちょっと話の枕に使ったら受けたよ」とでも言ってくれたら、単なる笑い話だったと思う。

その公民館も決してメジャーな公民館ではなく、市民向けの講座だったので、考古業界の人が来ないとおもったので、遂油断したのか。知人Aは考古ファンではなかったが、暇つぶしで行ったらしい。

それにしてもあきれたというか、残念である。この話自体からすでに10年もたつ。私の職場の異動に伴って資料をだいぶ廃棄しようと思うが、その時たまたまこの調査速報が出てきたので、捨てる前に、ブログに書こうと思う。

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March 18, 2007

探偵学と考古学

考古学神髄

20世紀最後の霊能力者である私が、今回考古学の本場イギリスの探偵にして考古学者のシャーロック・ホームズ氏と良き友人ドクター・ワトソン氏を大霊界からお招きして、考古学について問答をしていただいた。

ワトソン「ホームズ君。そもそも犯人さがしにおいて”もの”の証拠が大事なのだから”もの”さえ見つかれば犯人が誰だかわかるのだろ?」

ホームズ「ワトソン君。それでは犯人はつかまらないよ。犯人が殺人事件で使った凶器も、どこで、どのように見つかったのかが問題なのだ。つまり、犯行現場に落ちていたか、犯人の部屋にあったのか、そしてそれがどのようにあったのかが問題なのだ。だから現場検証が犯罪捜査の上で絶対に欠かせないものなんだ。」

ワトソン「なるほど、だから現場検証では証拠になりそうなものはむやみに動かしてはいけないのだね。しかし、君はよくナイフやピストルといった明らかに犯罪に使われたと分かるもの以外に、毛糸のくず、土、たばこの吸い殻、ほこり、髪の毛さらには足跡といったものを観察して記録しているが、あれはなんのためなんだい?無駄なようにも見えるが…」

ホームズ「ワトソン君、それこそ犯罪捜査の基本なのさ。一見何の変哲もないものが我々に様ざまなことを教えてくれるのさ。タバコの吸殻からはその人の性別、血液型がわかるし、土は犯人がこのロンドンのどこを歩いて来たかを教えてくれるのさ。」

結局、ホームズもワトソンも考古学のことは、ほとんど語ってくれませんでしたが、彼らが言っていることは私達の発掘現場で行われていることと同じなのです。つまり私達が遺跡から発掘する”もの”(土器、石器、木製品など…)は過去(歴史)を知るための”証拠”です。土器は年代を探る手がかりになります。石器や木製品は当時の人たちの生活の様子を知るてがかりです。

しかし、これらの証拠はホームズもいうように、どこでどんなふうに出土したかが大事なのです。それぞれ出土したところによって意味が異なってきます。だから”宝もの”であっても、むやみに掘り出してはいけません。そして、どんなふうに出て来たかを記録しなければいけません。(どんなふうに埋まっていたか)

そして、土器や石器といった明らかに私達の先祖が残したもの以外の”もの”例えば木の実、昆虫、足跡、土といったものも、十分考古学の”犯人”探しの”証拠”になります。土の中のプラント・オパールという稲などの植物に含まれる小さなガラスの粒や花粉、珪藻(プランクトンの仲間)なども調べることがあります。

ホームズ「おろかな考古学者よ。私が考古学のことを知らないとでも思っているのか?考古学でも犯罪捜査でも一番大切なのは、動機だよ。何でそういうことが起こっているのか、誰が何のために起こしたのかを解明しなくてはいけないのだ」

ワトソン「犯罪がいかにして起こり、また犯人の動機が分からなくてはね…」

ホームズ「まさに初歩だよ。ワトソン君」

(川田条里遺跡B地区調査速報第7号 平成2年6月7日より)

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